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[LaTeX] fast-diagram --- FASTダイアグラムを簡単に作成する

fast-diagram --- FASTダイアグラムを簡単に作成する

§1 はじめに

本パッケージは TikZ/ PGF ツールを使用して FASTダイアグラムを生成する簡単な手段を
提供します. FASTダイアグラムは設計方法における機能解析技術のために有用です.

FASTダイアグラムとは
米国VE(value engineering / 価値工学)協会の国際大会でチャールズ・バイザウェイ氏により発表された
ロジック・ツリーです.FASTは「ファスト」と読み,Functional Analysis System Technique の頭文字を
とったものです.

右から左に向かって「What for(何のため)」,左から右に向かって「How to(どうやって)」のロジックに
なっています.そして,上下方向に「When/If(どんなとき)」のロジックを使う場合もあります


1.1 インストール

TeXLive/W32TeX などには標準でインストールされていますので,インストール作業は必要ありません.
すぐに利用できる状態にあると思われます.

1.2 マニュアル

コマンドラインから texdoc fast-diagram を実行してください.(フランス語)

§2 LaTeX2e 文書での指定方法

2.1 書式

プリアンブルに
  \usepackage[<options>]{fast-diagram} を記述します.
  option は shortcut を意味する [raccourcis] です.shortcut内容については後述します.

2.2 書式のサンプル

  書式のサンプルを示します.\begin{fast} ~ \end{fast} 環境の中に FASTコード を記述します.
  
  foo.tex
  ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
  %% 文字コード:UTF-8
  \documentclass{ltjsarticle}
  \usepackage[raccourcis]{fast-diagram}
  \usepackage{scalefont}
  \begin{document}
   \begin{fast}{Base Function}
    % FAST code を記述
   \end{fast}
  
   \end{document}
  ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

  ★クラスファイルは ltjsarticle を使っていますが,scrartcl や article でも構いません.
  ★文字コードは UTF-8 とします.

■ コンパイルの仕方
(クラスファイルが ltjsarticle の場合)

  luajitlatex foo.tex
  または
  lualatex foo.tex

■ コンパイルの結果
  正しくコンパイルできたら foo.pdf が生成されます.

§3 コマンド

次の shortcut が用意されています.

  \fastFT   → \FT   ベース以降のファンクション
  \fastST   → \ST   次段以降の Solution ファンクション
  \fastVide  → \FV   境界(フレーム)なしのファンクション
  \fastTrait  → \trait  ファンクション をスルーするコネクション


§4 基本的なサンプル

(1)直列および並列に使用する例

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
\begin{fast}{Function 基底}
\FT{Required-1}{\FT{FT11}{} \FT{FT12}{}}
\FT{Required-2}{\FT{FT21}{} \FT{FT22}{}}
\end{fast}
\fastReset
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

fast01.png


(2)\fastFT(\FT)のキーワードオプション指定

キーワード[ou] (これは[or]のこと) 接続を表すために、コネクタをシフトします.

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
\begin{fast}{Function 基底}
\FT{FT1}{\FT{FT1}{} \FT[ou]{FT2}{}}
\end{fast}
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

fast02.png


(3)\fastST(\ST): 技術的な解決策の内容を指定する例

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
\begin{fast}{Function 基底}
\ST{Technical solution}
\end{fast}
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

fast03.png


(4)\fastVide(\FV): 境界なし表示の例

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
\begin{fast}{Function 基底}
\FT{FT1}{\FV{フレームなし1} \FV{フレームなし2}}
\FT{FT2}{\FV{\includegraphics[width=1cm]{book.jpg}}}
\end{fast}
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

fast04.png


(5)カラー表示

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
\definecolor{fastCouleurTexteFS} {named} {white}
\definecolor{fastCouleurBorduresFS} {named} {red}
\definecolor{fastCouleurFondFS} {named} {red}
\definecolor{fastCouleurTexteFT} {rgb} {1,0,1}
\definecolor{fastCouleurBorduresFT} {rgb} {0,1,0}
\definecolor{fastCouleurFondFT} {rgb} {1,1,0}
\definecolor{fastCouleurTexteST} {named} {brown}
\definecolor{fastCouleurBorduresST} {named} {blue}
\definecolor{fastCouleurFondST} {rgb} {0.5,1,1}
\definecolor{fastCouleurConnecteurs} {rgb} {1,0.5,1}

\begin{fast}{Function 基底}
\FT{FT1}{\ST{Sol 1}}
\FT{}{\ST{Sol2}}
\end{fast}
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

fast05.png


§5 簡単な FAST 例

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
\begin{fast}{セミナ参加者を募集}
\FT{開催日を決定する}{\FT{セミナルームを確保}{\FT{空きルームの調査}{}\FT{参加人員を調査}{}}}
\FT{開催を通知}{\FT{案内資料を作成}{}}
\end{fast}
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

fast06.png


§6 汎用ツリー図の作成

本来のFAST目的から外れて,単純に"ツリー図"作成に適用してみました.

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
\begin{fast}{動物}
\FT{哺乳類}{\FT{人間}{} \FT{鯨}{}}
\FT{両生類}{\FT{山椒魚}{} \FT{鮭}{}}
\FT{魚 類}{\FT{鮫}{} \FT{秋刀魚}{}}
\end{fast}
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

fast07.png


あとがき:

本パッケージは命令やパラメータなどがフランス語となっております.
個人的には,ユーザーインタフェース部を英語流に書き換えたものを
texmf-local側に用意して利用しています.

(EOF)
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  1. 2015/07/21(火) 13:23:00|
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