天地有情

[LaTeX] scalerel --- 数学シンボルなどの伸縮操作を行う

scalerel --- 数学シンボルなどの伸縮操作を行う

§1 はじめに

scalerelパッケージはオブジェクトのスケールを垂直に延伸すために使用されます.コマンド類は数式モードまたは
テキストモードのいずれかで呼び出すことができまが,デフォルトは、数式モードで処理されます.

本パッケージでは,オブジェクト(object)とリファレンス(reference)という用語が使われており簡単に言えば,
オブジェクト(object)とは数学記号,リファレンス(reference)は数式と考えられます.
リファレンス(reference)の垂直高さに応じて,オブジェクト(object)が垂直方向に延伸します.
すべての場合において,オブジェクトが縮小または伸縮することを目的とします.

sr00.png

1.1 インストール

TeXLive/W32TeX などには標準でインストールされていますので,インストール作業は必要ありません.
すぐに利用できる状態にあると思われます.

1.2 マニュアル

コマンドラインから texdoc scalerel を実行してください.

§2.LaTeX2e 文書での指定方法

プリアンブルに
  \usepackage{scalerel} を記述します.

2.1 基本的なコマンド

   4つの基本的なコマンドがあり,そのうちの2つ星[*]の変種があります.

   \scalerel[*][max_width]{object}{reference}
   \stretchrel[*][min_aspect]{object}{reference}
   \scaleto[max_width]{object}{height}
   \stretchto[min_aspect]{object}{height}

オプションのアスタリスク( * )を付すとリファレンス(reference)部分が抑制(非表示)されます.

2.2 複合的なコマンド
   
   上記に加えて4つの基本的なコマンドの複合体として以下の追加されたコマンドがあります.

   \scaleleftright[max_width]{left-obj.}{reference}{right-obj.}
   \stretchleftright[min_aspect]{left-obj.}{reference}{right-obj.}
   \hstretch{scale}{object}
   \vstretch{scale}{object}
   \scaleobj{scale}{object}

object は数学のオブジェクト(数学記号など)であると仮定され現在の math mode で処理されます.
一方,reference は現在のモード(テキストまたは数式)にかかります.

§3.代表的な書式例

3.1 書式のサンプル

  以下にサンプルの書式を示します.
  foo.tex
sr-prog.png

  4,5行目:stackengine.sty は必要に応じて利用します.(\shortstack の代わりに使えます)
  ただし,新たに CTAN からダウンロードしたてください.

  ★クラスファイルは ltjsarticle を使っていますが, article などでも構いません.
  ★文字コードは UTF-8 とします.

3.2 コンパイルの仕方
(クラスファイルが ltjsarticle の場合)

  luajitlatex foo.tex
  または
  lualatex foo.tex

3.3 コンパイルの結果
  正しくコンパイルできたら foo.pdf が生成されます.


§4.コマンドの使い方

4.1 \scalerel[*][max_width]{object}{reference}

Example01:
sr01.png

この例では[stackengine]をダウンロードし,プリアンブルに次を追加します.
  --------------------------------------
  \usepackage[usestackEOL]{stackengine}
  \stackMath
  --------------------------------------

Example02:
sr02.png

オプション[max_width]=6ex を指定しています.
[max_width] はオブジェクトのための最大幅の許容として指定され,幅がこの制限を超えてしまう場合は縮小されます.

Example03:
sr03.png

リファレンスには文字列を指定しています.\shortstack の代わりに stackengine.sty も利用できます.

4.2 \stretchrel[*][min_aspect]{object}{reference}

オブジェクトの縦横比が [min_aspect] 値を下回る場合は,オブジェクトの幅は、この最小しきい値を満たすために
増加されます.[min_aspect] の値は整数でなければなりません.

Example04:
sr04.png


4.3 \scaleto[max_width]{object}{height}

Example05:
sr05.png


4.4 \stretchto[min_aspect]{object}{height}

Example06:
sr06.png


4.5 \scaleleftright[max_width]{left-obj.}{reference}{right-obj.}

Example07:
sr07.png


この例では[stackengine]をダウンロードし,プリアンブルに次を追加します.
  --------------------------------------
  \usepackage[usestackEOL]{stackengine}
  \stackMath
  --------------------------------------

Example08:
sr08.png

この例では[stackengine]をダウンロードし,プリアンブルに次を追加します.
  --------------------------------------
  \usepackage[usestackEOL]{stackengine}
  \stackMath
  --------------------------------------

4.6 \stretchleftright[min_aspect]{left-obj.}{reference}{right-obj.}

Example09:
sr09.png

4.7 \hstretch{scale}{object}

Example10:
sr10.png

4.8 \vstretch{scale}{object}

Example11:
sr11.png

4.9 \scaleobj{scale}{object}

Example12:
sr12.png



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  1. 2015/02/28(土) 14:00:20|
  2. LaTeX Tools

[LaTeX] minitoc --- 章ごとに小目次を作る(日本語対応):備忘録

minitoc --- 章ごとに小目次を作る(日本語対応):備忘録

§1 はじめに

すでに利用されている方も多いはずですが,W32TeX でも 2015/02 に[minitoc.tar.xz]がサポートされました.
多言語に対応していますが,標準では english がデフォルトとなっています.

日本語も使えるようにするには,少しの修正が必要となります.即ち,minitoc.sty に次を付加すれば良いはずです.

\DeclareOption{japanese}{\input{japanese.mld}}

以下は初心者用に記述しています.

§2 minitoc.sty の修正

次の手順で修正します.

(1)minitoc.sty をコピーし,Desktop に置く.
(2)エディタで開いて, 3689行目当たりに \DeclareOption{japanese}{\input{japanese.mld}} を書き込む.
(3)この修正した minitoc.sty は Local側に minitoc ディレクトリを作り,その中に配置する.
   即ち, C:\w32tex\share\texmf-local\tex\latex\minitoc\minitoc.sty
(4)必要に応じて, mktexlsr を実行する.

§3 簡単なサンプル

3.1 ソースファイル (foo.tex , encoding=utf8)

mtc01A.png
mtc01B.png


説明:

01: クラスファイルは ltjsbook を利用.(その他は§4,5も参照)
02: オプション [japanes] を指定.
05: 小目次作成用.
08: 大目次作成用.
06: \listoffigures は必要に応じて利用.
07: \listoftables は必要に応じて利用.
10: 目次リーダーが不要ならば行頭のコメント記号(%)を外す.
17: \minitoc 小目次作成コマンド
19: \minilof は必要に応じて利用.
21: \minilot は必要に応じて利用.

3.2 コンパイル

   luajitlatex foo.tex
   luajitlatex foo.tex
   
  (注意)コンパイルは2回~3回実行します.

3.3 結果(小目次部分を抜粋)

mtc02.png



§4 uplatex を使う場合

\documentclass{ujbook} あるいは \documentclass[uplatex]{jsbook}とし,
コンパイルは
   ptex2pdf -l -u foo.tex
   ptex2pdf -l -u foo.tex

§5 platex-ng を使う場合

\documentclass{ujbook} とし,

コンパイルは
   platex-ng foo.tex
   platex-ng foo.tex

  1. 2015/02/21(土) 12:33:58|
  2. LaTeX Tools

[LaTeX] pstoedit --- ps/pdf ファイルをベクター形式に変換

pstoedit --- ps/pdf ファイルをベクター形式に変換

§1.はじめに

pstoeditは,PostScript(ps/eps)やPDFファイルをドローツールでサポートされるような様々な他のフォーマットへ
変換するツールです.
それは,編集可能なベクター形式(WMF/ EMF,PDF,DXF,CGM,およびHTML)を含む多くの出力形式をサポートします.

これらは,コマンドラインからの操作 と GSview を利用する方法があります.
(コマンドラインからの操作は, W32TeX でもサポートされています)

§2.事前準備

次のソフトがインストールされていることを確認してください.必要なら以下のアドレスが利用できます.
インストールが終了したら,PATH が設定されていることを確認してください.

(1)ImageMagick-6.9.0-5-Q16-x64-dll.exe (64bit)または
   ImageMagick-6.9.0-5-Q16-x86-dll.exe (32bit)
   インストール:
   http://www.imagemagick.org/script/binary-releases.php
(2)Ghostscript 9.15 + GSview 5.0
   インストール:
   http://www.khotta.org/ghost/
§3.pstoedit のインストール

   binary for Windows 32 bit または
   binary for Windows 64 bit

   インストール:
   http://www.pstoedit.net

      マニュアル : pstoedit.pdf
   http://hayato1224.web.fc2.com/pstoedit.pdf
          あるいは,W32TeX を利用されている方は コマンドラインから texdoc pstoedit を実行します.

■ GSview の利用

PStoEditは GSview を直接使用することができる DLL を有しています.
インストールを実行すると「pstoedit」フォルダができます.
これを「C:\Program Files\Ghostgum」以下の「gsview」があるフォルダに置きます.

psto01.png




psto02.png


GSView でpsファイルを開いたときは,上部ツールバーで [Edit] → [Convert to vector format...]
ベクター形式のファイルを選択すると出力ができます.

psto03.png


§4.コマンド操作例

(1)ヘルプメッセージは コマンドラインから pstoedit -help を実行して下さい.

(2)一般的な形式: pstoedit [option] -f target_format_identifier 変換前画像名 変換後画像名

(3)簡単なサンプル

   ● pstoedit -f dxf:-polyaslines colrtest.ps colrtest.dxf
      --- .dxf は CAD exchange format  open office でビューできる.
   ● pstoedit -f plot-svg colrtest.ps colrtest.svg
      --- .svg は Inkscape でビューできる.
      --- svgについては "-f svg"オプションもあるようですが,シェアウェアなのでフリーの
        "-f plot-svg" を使っています.
   ● pstoedit -f gs:pdfwrite colrtest.ps colrtest.gs
      --- .gs は rungs colrtest.gs でビューできる.(gswin32c)
   ● pstoedit -f ps2ai colrtest.ps colrtest.ai
      --- .ai は Illustrator でビューできる.
   ● pstoedit -f emf colrtest.ps colrtest.emf
      --- .emf は Irfanview でビューできる.

オプションの例
pstoedit.exe -xscale .5 -yscale .5 -f "dxf_s:-mm -polyaslines" image.pdf image.dxf
これは,X方向を 0.5倍・Y方向を 0.5倍に拡大し,単位はミリで,ポリラインでDXF形式に変換せよいう意味です.

§5.GSview 操作

(1)該当ps/pdfファイルを GSview5.0 にドラッグするか,"gv ファイル名"で開きます.(gsview32.exeと同じ)

psto04.png


(2)[Edit] → [Convert to vector format...] から 例として "emf" を選択し,[OK]をクリック,
   ファイル名を colrtest.emf として保存します.

(3)その他の画像形式も同様にして変換できます.

(EOF)


  1. 2015/02/16(月) 09:40:31|
  2. LaTeX Tools

[LaTeX] xtab --- supertabularの後継(長いテーブルの自動的なページ分割)

§1.はじめに

xtab パッケージは,長いテーブルが自動的にページ境界で分割されることを可能にします.
それは supertabularドキュメントに記載の弱点のいくつかを軽減し,追加機能を提供します.

マニュアルには次のようなことが記述されています.

1)ときには supertabular のトップキャプションは1ページに印刷されており,本体は次のページ(複数可)に
  印刷されています.すなわち,孤独なキャプションがあります.
2)ときには supertabular の最後のページには,空のテーブルで構成されています.
  すなわち,テーブルのちょうど頭と足が印刷されます.
3)表の最初のヘッダ行の数は,後続のヘッダの行数と異なる場合,表の連続ページが長すぎたり,短すぎたりします.

これらの弱点は,TEXが改ページを置く場所を推測しようとすることで引き起こされます.
本パッケージは,独自の改ページを置きます.

1.1 インストール

TeXLive/W32TeX などには標準でインストールされています.

1.2 マニュアル

コマンドラインから texdoc xtab を実行するか,
上記に同梱の xtab.pdf をお読み下さい.

§2.使い方

プリアンブルに
  \usepackage{xtab} を記述します.

本体は \begin{xtabular} ~ \end{xtabular}で囲みます.

■ 主なコマンド

● \topcaption{...}
  コマンドは,テーブルのキャプションを提供します.キャプションは表の一番上に配置されます.

● \bottomcaption{...}
  コマンドは,テーブルのキャプションを提供します.キャプションは表の下部に配置されます.

● \tablecaption{...}
  コマンドは,テーブルのキャプションを提供します.キャプションは表の一番上にあるデフォルトの位置に配置されます.

● \tablefirsthead{...}
  表形式のヘッドの最初に現れる内容を定義します.このコマンドはオプションです.

● \tablehead{...}
  次ページ以降の表ヘッドの内容を定義します。

● \tablelasthead{...}
  表の最後のページの表ヘッドの内容を定義します。

● \tabletail{...}
  このコマンドの内容はテーブルの最後のページを除いて各ページの(内部)\end{tabular}の前に挿入されます.

● \tablelasttail{...}
  このコマンドの内容は,テーブルの最後の(内部)\end{tabular}の前に挿入されます.

§3.代表的な書式例

  foo.tex
xtab01.png
  ★ クラスファイルは ltjsarticle を使っていますが,scrartcl や article などでも構いません.
  ★ 文字コードは UTF-8 とします.

3.1 コンパイルの仕方 (クラスファイル ltjsarticle の場合)

  luajitlatex foo.tex
  または
  lualatex foo.tex

3.2 コンパイルの結果

  正しくコンパイルできたら foo.pdf が生成されます.


§4.簡単なサンプル

歴代天皇の一覧表を例題とします.

xtab02.png

(注)歴代天皇一覧表(emperor.tex)は掲載割愛します.

xtab03-1.png
1ページ目
------------------------------------
tab03-2.png
2ページ目
------------------------------------
xtab03-3.png
3ページ目
------------------------------------

(EOF)
  1. 2015/02/09(月) 07:44:55|
  2. LaTeX Tools

[LuaTeX] LuaTeX, LuaJITTEX と日本語ファイル名 --cmdx オプション

LuaTeX, LuaJITTEX と日本語ファイル名 -cmdx オプション

LuaTeX, LuaJITTEX で日本語ファイル名の使い方
が次のサイトに記述されています.

TeX Wiki LuaTeX
W32TeX における LuaTeX, LuaJITTEX と日本語ファイル名

読めば,すぐに理解できるものですが,一応メモしておきます.

使い方:

コンパイルコマンドは lualatex あるいは luajitlatex を使います.
以下は luajitlatex で記述します.

(1)luajitlatex -cmdx 平成26年度予算[.tex]
    
   ● -cmdx の引数に 平成26年度予算[.tex] を指定します.
   ● 平成26年度予算.tex の中に \input{予算表.tex} があっても構いません.


(2)luajitlatex -cmdx foo[.tex]
    
   ● 引数が foo.tex で日本語ファイル名 でなくても,その中に \input{予算表.tex} があれば
     -cmdx オプションを指定します.そうしないとコンパイルエラーとなります.
  
  
余滴:

platex の場合は -jobname=日本語ファイル名 日本語ファイル名.tex を使います.

(例)platex -jobname=平成26年度予算 平成26年度予算.tex

(EOF)
  1. 2015/02/03(火) 15:17:40|
  2. lualatex